一昨年前に録画した映画「いま、会いにゆきます」を昨日見ました。
素直に、良かったですね・・・丁寧に作りこまれていて、良い作品だと思いました。
私の好きな邦画として、「菊次郎の夏」と双璧をなすものになりそうです。
映画の前半は、「出会い」と「別れ」を意識して、
「妻(=母)」を大切にする父子の姿が切ない。
そして後半は、張り巡らされた伏線が解き明かされていく面白みもある。
ファンタジーとしての構成と設定が良くできていると思います。
登場人物、個々のシーンをとっても、
優しさが滲み出ていますし、心の変化も丁寧に織り込まれています。
二十歳そこそこの女性が強くなっていく心理も納得できるし、
別れを前にしての親心の描写も、わかりやすい・・・。
映画としては、とってもステキな仕上がりです。
まぁ・・・唯一の欠点は、
主演女優(竹内結子さん)と俳優(中村獅童さん)のプライベートが、
否が応にも、脳裏をよぎってしまうことでしょうか?
二人の子どもは、いずれ大きくなった時に、
どういう気持ちでこの作品と向き合うのでしょうか?
もう・・・余計なお世話なんですが、非常に気になるところです。
「もう見たくもない!」「気にしないようにしている。」となるのでしょうか?
この作品では、「死」をもって二人を別れさせますが、
現実では「諸事情ある離婚」で二人は別れ・・・、
この先、なんらかの出会いがあって・・・焼け木杭・・・なんてことがないんでしょうか?
「死」ではなく、もっとドロ~ッとした確執を経て、
再び結ばれたとしたらスゲェーな!と・・・思ってしまうのは、夢想が過ぎますかね?
そうすれば、二人の子どももこの作品を納得できて万々歳なんでしょうけど。
現実では、気持ちはなかなか戻らないもん(私の場合)ですから、
追体験をもって再び恋愛をしている本作が羨ましくもあります。
最後に、この映画で、「死」を意識すれば「生かされてる時」を大切したいと感じますが、
残念ながら、まだまだ「死」や「病」を実感できない私は、行動に移しきれません。
なんとなく、
生き急ぐよりも、怠惰な自分も嫌いじゃなかったりするんで・・・困ったもんです。
・・・いつの日か、この心は現実に投影されるのでしょうかねぇ~・・・