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晴れやかなる四十路へ!

映画「この世界の片隅に」鑑賞

アニメ映画「この世界の片隅に」鑑賞してきました。
市井の人の戦争記ということ位の前知識で、鑑賞しました。

いきなり「悲しくぅて~♪かなしくぅてぇ~♪」で始まり、
作曲した加藤和彦さんを思い浮かべます。
軽井沢で悲しくも自死したことが忘れられません。

のっけから映画の世界観に浸ろうとしたところで、
私は、違う現実に引き戻されました。
まぁ作曲家のことを知らないならば、関係ないのですがね。

戦中に広島と呉で過ごす市井の人の視点ですから、
いろいろとその時代の暮らしぶりを、やさしいタッチで描いていました。

私の年代やその上の世代なら、まだ望郷の念を感じるとは思いますが、
現代の若者では、その自然とともにある暮らしは、
異世界とも映るのではなかろうかと思いながら見てました。

炊事をして、洗濯をして、掃除をして、時に、裁縫をして、日が暮れる。
いわゆる家事の手数が多く、家に女性が居る暮らしですよね。

しかしながら、現代では我が家のような共働き家庭も多く、
やれ外食だ、惣菜だ、クリーニングも外注だ、ほつれた衣類は買い換えろ、
の物が豊かな時代しか知らずに育ったのであれば、
果たして現実味を感じるだろうか?と疑念を拭えないのでした。

また今は少ない遊郭の妓楼建築や大門も描かれていましたが、
その意味をどこまで知ることができるのだろうかと・・・


ヒロシマは言わずと知れた被爆地で、呉は軍港でした。
江田島の海軍兵学校も近いです。
きっと瀬戸内海に浮かぶ数々の軍艦も身近で、空襲も多かったことでしょう。

アニメーションでの描写も、なかなか迫力があったと思います。

また戦艦大和の姿には、
水兵であった私の祖父が戦死したことを思い浮かべました。
戦艦大和が、最後に沖縄へ向かう航路確保のため、
露払いとなる潜水艦との海戦で亡くなったと聞いています。

私は祖父より、なんと安穏と長い命を頂いているのか?と、
自身を叱咤する思いでした。

玉音放送の場面では、
映画「日本のいちばん長い日」にも描かれた宮城事件を想起もしました。

確かに戦争映画はたくさんあります。
もっと直接的で、心に痛くエグるような作品もあるでしょう。
この映画はそうではなく、
市井の暮らしぶりを愛おしく描き、少し婉曲的ではあります。
しかしながら、戦争が数多の哀しい想いを強いたことを、
物語っているには間違いございません。

低年齢の子供に戦争を語るキッカケには、
とても良い作品ではないだろうかと、思うのでございました。

そして、エンドロールのクラウドファンディングの一覧は、
・・・ふむ、今っぽいな・・・と、感じるのでありました。
by ambitious-n700 | 2017-01-20 11:42 | 漫画・TV・映画等 | Comments(0)
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