女優、遠野なぎこさんが自身の半生を描いた自伝的小説とのこと。
バラエティ番組で色々と強い印象があったので、
その深層には何があったのかに興味を持ち、読ませていただきました。
・・・うーん・・・うーん・・・
感想を書きたいのだけれども、何を書いても言葉足らずになりそうな気がします。
叱咤激励の言葉も、失礼になるような厳しい現実だったかもしれませんし、
小説という形態にした以上、どこまでが現実と捉えていいのかもわかりません。
確かに、著者の半生のエッセンスはこの本に入っていると思いますが、
それがどれほどのものだったかは、本当のところを測りかねます。
著者の思いと、私の捉え方に乖離がないとは言い切れないので、
私の感想もまとまりきらないですね。
仮に全てをフィクションと捉えさせて頂き、
無責任に感想をまとめれば、登場人物の多くは不器用でしたね。
唯一、弟さんだけが賢く人生を立て直していたように思えます。
主人公の感情の振れ幅が、強くて大きすぎて、
とりあえず、落ち着いて、
呼吸を整えなきゃダメだろっ!と思って読んでいました。
結婚相手は選べても、子どもは家庭環境を選べません。
子どもは、袋小路に追いやられたら必死に足掻くしかないんですね。
親子関係でどうやって気持ちに整理をつけようか?
答えが見つからなくても、どんなに辛くても、
子供は納得のいく答えを探し続けるしかないのでしょう。
手を差し延べる大人がいなかったことが不幸なのか?
隠し通せるだけの環境があったから不幸だったのか?
成長して恋愛になったとしても、今度は血縁と違って相手を選べるものだから、
不安や怯えが芽生えれば、袋小路に入る前にバシッと切り捨ててしまう。
総じて、ゆとりとか余裕が持てないんですね。
人間関係においても円滑にする糊しろ部分を作れず、
自身を追い込んでいるように感じました。
いやはや悲痛です。
また第三者の立場から好意的に見れば、子どもに酷い仕打ちをする母親ですが、
こちらも不器用で迷走している悲しい姿にも映ります。
自身の描いた夢を追いかける訳ですが、現実は思い通りになりません。
そのストレスから、無鉄砲で思いやりに欠いた行動をしているだけのように感じました。
女性は子供を産んでしまえば、一生、母親という立場からは逃れられません。
若くして覚悟のないまま母親になってしまったことが、悲劇の始まりのように思えました。
(※注、もちろん父親に責任がないとは言ってませんよ。)
人間関係については、私もおっかなびっくりで得意とは言えませんが、
たとえ相手を信じ切れなくても、嫌な部分は見なかったことにして、
好意が寄せられる部分だけを、騙されながらも受け取れたらいいのですがね。
程度でしょうが、少々鈍感でおバカなくらいが、
他の人とたくさん幸せを分かち合うことができるのかも知れません!?
今回は読書として引きこまれましたが、
ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、現在進行形で終わってますから、
著者へエールの気持ちを抱くも、いまひとつ消化不良の感が否めないのでありました。